テレビカメラに向かって啖呵を切る翔子(米倉涼子)が印象的だった先週の第6話に続く、結婚詐欺をテーマにした第7話。
翔子を囲む京極法律事務所のチームも個々の個性がはっきりしてきて、ドラマとしてのグレードが断然上がってきた。

まだこのドラマを一度もご覧になっていない方は、この6・7話をセットで観てみるだけでも十分に楽しめるはず。

前半の第6話は、ネット上の世論や他の被害者を集めて集団訴訟で勝負だ、と言う勢いのある終わり方をした。

しかし、そんなにすんなりは進まなかった。

結婚詐欺に合った人たちは、それぞれ複雑な心理状態にあり、彼らの戦意を高めることは意外に難しかったのである。
屋外でバーベキューをして被害者の会への参加を募るアイデア(もともとあまりよいやり方とは言えないが)も不発に終わる。
何度かこの会を開催するが、最後に湯豆腐になるところが季節の移り変わりを感じさせた。

いっぽう、決定的証拠も相手の弱みもなかなか掴めない。

ストーリーの中では最後にこのピンチを救った今回のMVPは、馬場雄一(荒川良々)だった。
ただ、視聴者目線では伊藤理恵(安達祐実)も大活躍だった。

馬場は、かつてストーカー行為を訴えられて服役、伊藤は銀行員時代に男に貢ぐために横領をして服役していた経験を持つ前科者ぞろい。二人とも異性には入れあげやすいわけであるが、今回は相手がローズブライダルという結婚詐欺を組織ぐるみで行なっている悪徳事業者であることから、この二人にスポットを当てたのは大正解。

法廷で伊藤が銀行員時代に犯した罪を暴露され、反論するシーンは圧巻であった。

第5話の友人への暴行冤罪事件の公判では、無理やり情に訴えて勝訴に持ち込んだようでどうも歯切れが悪かった。
ただ、今回の伊藤の答弁は法廷にいた人全員の情に訴える威力があった。しかも直接それが判決理由にはならず、彼女が流れを変える役目を果たし、そのあとの逆転劇の布石になったのがよかった。

そしてダメ押しは、まさかのライバル弁護士、白鳥美奈子(菜々緒)だった。
結末シーンで、ドラマ「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」を彷彿とさせる迫力の雄叫びを久しぶりに見せてくれた。

俳優陣の奮闘ぶりによって、全体を通じてとても楽しめた。

P.S.
うーん、でもやはり、米倉涼子を九州に連れていくロケはできなかったか。「行ってきた」と言うだけではちょっと中途半端にも感じた。

基本情報:テレ朝木曜ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第7話 – 米倉涼子主演

  • タイトル リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
  • チャンネル テレビ朝日系列
  • 番組公式サイト トップ あらすじ 人物相関図 スタッフ
  • 放送日時(第7話) 2018年11月29日(木)21:00〜21:54
  • 出演
    • 小鳥遊翔子・たかなししょうこ(元弁護士):米倉涼子WikipediaWikipedia
    • 京極雅彦・きょうごくまさひこ(代表弁護士):高橋英樹WikipediaWikipedia
    • 大鷹高志・おおたかたかし(弁護士、元検事):勝村政信WikipediaWikipedia
    • 青島圭太・あおしまけいた(弁護士):林遣都WikipediaWikipedia
    • 馬場雄一・ばばゆういち(パラリーガル):荒川良々WikipediaWikipedia
    • 伊藤理恵・いとうりえ(パラリーガル):安達祐実WikipediaWikipedia
    • 茅野明・かやのあきら(パラリーガル):三浦翔平 WikipediaWikipedia
    • 海崎勇人・かいざきはやと(ライバル事務所弁護士):向井理WikipediaWikipedia
    • 白鳥美奈子・しらとりみなこ(ライバル事務所弁護士):菜々緒WikipediaWikipedia
    • 中沢淳美・なかざわあつみ(ライバル事務所秘書):宮本茉由 WikipediaWikipedia
    • 天馬壮一郎・てんまそういちろう(ライバル事務所代表):小日向文世WikipediaWikipedia
    • 神保有希・じんぼゆき(鉄道バー店員):内藤理沙WikipediaWikipedia
  • 第7話ゲスト
    • 塩見一郎・しおみいちろう(婚活詐欺の被害者):矢部太郎WikipediaWikipedia
    • 相田栞・あいだしおり(ローズブライダル代表):東ちづるWikipediaWikipedia
    • 藤原夏純・ふじわらかすみ(ローズブライダル会員):逢沢りなWikipediaWikipedia
    • 我妻憲史郎・あがつまけんしろう(ミカド通信会長):国広富之WikipediaWikipedia
    • 高市哲也・たかいちてつや(社会学者、コメンテーター):野間口徹WikipediaWikipedia
    • 守屋至・もりやいたる(小鳥遊翔子が弁護していた元依頼人):寛一郎WikipediaWikipedia