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テレ朝木曜ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第5話 – 米倉涼子主演

この第5話は、かすかな記憶しかない第1話のオープニングシーンの続きでもあった。
小鳥遊翔子(米倉涼子)の初回の登場シーンは喪服姿だったことを覚えているだろうか。

そこで翔子と出会うのが、その後ポチと呼ばれて翔子に鍛えられる青島圭太弁護士(林遣都)だ。

彼は、かつて暴行事件の濡れ衣を着せられた大学生を弁護したが、敗訴して実刑判決が出てしまっていた。

そして、息子の無実を訴えていた母親が自殺してしまう。
その母親の墓参りに来ていた青島に、翔子が声をかける。

そこからこのドラマが始まった。
ただ、このエピソードは第1話で触れたあと、ずっと封印していたものだ。

この第5話で、その経緯が明らかになる。

大学生起業家・町村誠(瀬戸利樹)が崖の上で、刃物を使ったひどい暴行をされ、全治6か月の重傷を負った。
第一発見者は、その親友である、武藤正洋(戸塚純貴)だったが、その発見者本人が犯人であると仕立て上げられる。
息子が犯人ではないと信じた母親・武藤望(片岡礼子)は、そのアリバイとなる目撃証言を得ようと、現場近くの駅でビラを配り、無実を訴えるブログまで開設する。
しかし、ネット上には「犯罪者の母親が何言ってるんだ」という心無い誹謗中傷が殺到する。

そして、被害者の町田本人が武藤に暴行されたと証言したことから1審では敗訴し、実刑判決が出てしまう。

さらに誹謗中傷はエスカレートする。
しまいには、その母の写真や住所、生年月日や経歴までがネット上に晒され、家の塀にも落書きをされる。

ついに母は、その暴行事件の現場の崖から身を投げてしまう。

第1話で、翔子と青島が揉み合って、翔子のハイヒールが落下してしまう、あの崖だ。
近くにお城のようなラブホテル。

その武藤の無実を証明できず、妻を亡くした武藤の父、武藤紘一(志垣太郎)には罵倒され、青島弁護士は失意のどん底にあった。

この第5話は「弁護士資格のない」管理人・翔子を中心に、京極法律事務所のチームで青島をサポートし、控訴審での逆転勝訴を狙うというもの。

お金にならないから協力しないと言っていた翔子だが、被害者である大学生起業家・町村がマッチングアプリで10億の収益をあげていることを知ると、翻意して乗り気になる。

そして、崖の近くのラブホテルの広い部屋に女性を集めて被害者の町田が夜な夜な豪遊していたことがわかり、それがきっかけで新たな目撃者が現れる。

ただ、今回は有罪判決が出た控訴審の逆転無罪への流れとしては、ちょっと歯切れの悪い出来だった。決定的な証拠をズバリと突きつけるというよりは、強引に情に訴えて寄り切ってしまった感じで「なるほど」と膝を打つような鮮やかさはなかった。

その反面、金目当てで協力した翔子の態度が、だんだん本気になっていく過程が描写されており、それが次回以降の何か大きなテーマに続く伏線が張られた回でもあった。

P.S.
この事務所にはもと犯罪者が2人いるが、その意外なバックグラウンドが明らかに。
1億円横領の罪で服役していた元銀行員、伊藤理恵(安達祐実)の父親は、もと財務省局長だった。
ストーカー被害で訴えられ服役していた馬場雄一(荒川良々)の母親は「お〜い玄界灘」という割烹居酒屋を経営していたが、彼が有罪になったことで店は潰れた。

基本情報:テレ朝木曜ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第5話 – 米倉涼子主演