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TBS金曜ドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第5話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演

この第5話のためにこれまでの4話があったのか、と実感するほどの大粒の涙を誘う回だった。

運命的な出会いのきっかけになったのは「砂にまみれたアンジェリカ」という小説だった。そして再び二人を結びつけたのも、泣ける小説ベスト3として書店に平積みになっていた「脳みそとアップルパイ」という小説だった。

初期のアルツハイマー病にかかった医師・尚(戸田恵梨香)と元作家・真司(ムロツヨシ)のラブストリーということで、記憶が消えていく過程で起こる辛く悲しいできごとを綴りながら恋を貫くのかと思いきや、前回・第4話の結末で、一度完全にぶち壊しになってしまう。

一度終わって、また元に戻る過程をこれまでにないスピードで時間を進めて描いたのがこの第5話だった。

だが、真司の二度の心境の変化や決断をする動機づけの描写があまりうまくされていなかったようにも感じる。しかし、このドラマを心から愛しているであろうムロツヨシの、これしかないと言える絶妙な演技で、やや強引な展開の不自然さをカバーし、前半のクライマックスにふさわしい回になっていた。
また、ときおりユーモアが散りばめられており、全体的に重苦しくなり過ぎずに気持ちのいい感情の揺さぶされ方をする回でもあった。

病気になることは悲しいことである。ただ、なって初めて、そして残された時間が少なくなったからこそ、全力で生きることの大切さに気づく、とはよく聞く話だ。

戸田恵梨香の演技は、まさにそれを全身で表現していた。お世話になったみなさんにする挨拶の、最後の一言が心に刺さる。

P.S.
最後に一杯飲もう、と戸田恵梨香がLINEをくれた居酒屋「晩杯屋・蒲田西口店」に今回は松岡昌宏も登場。
ここは聖地となるのでしょうか?昼間から開いているようです。

今から観るには:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」

基本情報:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第5話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演