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NHK連続テレビ小説「まんぷく」第4週「私がみつけます!」〜安藤サクラ・長谷川博己

このドラマは土曜日の朝に放送されるその週の最終話で、毎週大きなターニングポイントを迎える。週末だからと言って見逃せないのだ。もともと日本に週休2日が定着する昭和の時代から放送されていた長い歴史を誇る連続テレビ小説は、今でも週6を守っている。

この第4週のタイトル「私がみつけます!」は、土曜日の最終シーンで初めて安藤サクラによって発せられたセリフだった。

激動の展開があった第3週を引き継いだこの第4週。
朝ドラで主人公の子供時代が描かれないのはめずらしいらしいが、福子(安藤サクラ)が18歳のときに始まったドラマのスタート地点が昭和13年だったので、どうしてもストーリーは第二次大戦の時代を通り過ぎる。

先週末の第18話でのハッピーな状況が一変し、福子、萬平(長谷川博己)、そして福子の母・鈴(松坂慶子)を取り囲む状況は、彼らが住む大阪にも戦闘機による爆撃が始まったことにより、厳しいものとなる。

反戦をメインテーマにしたドラマではないとは言え、戦時中の日本を描くこの週。

戦火の厳しさを伝えながらも、意外にのどかな週でもあった。もちろんハラハラする「事件」も起きるのだが、途中から舞台が疎開先に移ることもあって、食べ物に困ったり、家が焼けたりするシーンのオンパレードではなく、戦時下における人々の営みの描写が散りばめられていた。

そして、食に関するエピソードも随所に織り込まれ、近い将来、萬平と福子が創リ出すフードビジネスの伏線ともなっている。

また、疎開先の家に電気が来ていないことを知った萬平が、電柱から無理やり電気を引いたり、川魚を電気で焼いて捕まえたり、将来の大発明家となる片鱗を見せていた。また、最初のころは福子への告白を取り下げるくらいシャイな側面もある人物だった萬平が、だんだんとその頑固な側面を見せ始め、母・鈴にすら強い言葉を浴びせたりもする。

ただ、そんな萬平の高いプライドが、根こそぎ否定されるような状況に陥ってしまう。
憲兵に拷問を受けていた身体へのダメージが尾を引いているのだ。
そして土曜日の第24話で、役立たずな自分に対するはがゆさが爆発する。
彼は疎開地の大空の下で、はばかりもなく絶叫するのだ。

そこで福子が吐いた言葉が、この週のタイトルにもなった「私がみつけます!」…つまり萬平の生きる道を私がみつけてみせる、という一言だった。
この週の最後に訪れた、感激のヒトコマである。

P.S.
TBSドラマ「この世界の片隅に」でも見られたが、戦時中の日本では何かあったときに備えて、ひとりひとりが自分の服の胸に、氏名、住所、生年月日、血液型を記した布を縫いつけている。ちらっと映ったバストショットで福子の生まれ年が「大正」であったことに気づく。しかも0型らしい。

今から観るには:『まんぷく』

基本情報:NHK連続テレビ小説『まんぷく』第4週「私がみつけます!」