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関西テレビ火曜ドラマ「僕らは奇跡でできている 」第3話〜高橋一生・主演

好奇心旺盛な子供には、小さな冒険が必要だ。映画「千と千尋の神隠し」で主人公の千尋が体験したような。

少年・虹一(川口和空)は、歯医者で知り合った大学講師、相河(高橋一生)と動物園に出かけている。

ふと、動物の謎を見つけるために、動物園の中をひとりで探検したくなる。
約束の時間と戻ってくる待ち合わせ場所を決めて、単独行動を開始。

ところが、眼をキラキラさせて動物の様子を観察しているうちに、夢中になって約束の時間を忘れてしまう。
そして道にも迷ってしまう。
閉園時間をとっくに過ぎたころ、やっと大人たちの元に戻ってくる。

ふつうの大人は、

なにやってたの、心配したじゃない!
みんなに迷惑かけて、謝りなさい!

と言うだろう。虹一が行方不明になったと母親から報告を受けて駆けつけた歯科医・水本育実(榮倉奈々)も怒りに震えている。

ところが、相河先生は、

謎は見つかったか?

と虹一に聞くのだ。すると少年は、立て続けに自分の発見を自慢する。そして

ああ、楽しかった!

と答える。

これが、ふつうの大人のように頭ごなしに叱りつけてしまったら、その少年のかけがえのない体験は、誰にも共有されず、抑えつけられてしまうだろう。

もちろん今は物騒な世の中である。
そもそも母親にも告げず、相河先生と出かけてしまっただけでNGである。

しかも相河先生も学校の教師なら、それくらいきちんとすべきだろう。
彼が少年の心を持った大人であることはいいことだが、社会的不適合者と言われてもおかしくない。
そして、こっぴどく叱られる。

その光景を観るうちに、ふと私たち大人は、

しかし、悪気がなくてしてしまった「悪いこと」は、本当に悪いことなんだろうか?

とも感じる。思えば、世の中の大人で悪いことだとわかっているのに悪いことをするヤツもいる。
それに比べて、彼らが今日したことは、そんなにこっぴどく非難されるべきなのか。

そしてさらに、私たち大人は、

こうしなければいけない。
これをやらなければいけない。

と言う義務で、自らをもがんじがらめに縛って時間に追われていることに気づく。

前回に続き、意味深い話であった。

そしてなぜ山田さん(戸田恵子)が相河と一緒にいるのか、何となくわかった回でもあった。

P.S.
ドンマイ、グッジョブ、と言ってるだけのアンジャッシュ児嶋は、いったい何をやってるんだろうか?
ここにいた!

今から観るには:「僕らは奇跡でできている」

基本情報:関西テレビ火曜ドラマ「僕らは奇跡でできている」第3話 – 高橋一生 主演