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関西テレビ火曜ドラマ「僕らは奇跡でできている 」第2話〜高橋一生・主演

大学で動物の生態を教えている変わり者の講師、相河一輝(高橋一生)が、忘れていた大切な何かを教えてくれるドラマ。
オトナ社会が決めつけた常識に対して、真っ向から抵抗するでもなく、ゆるりと異を唱える。

先週の第1話は、ウサギとカメのたとえで、じわっと響く一言があった。
まだの方、ぜひご覧ください。

さて、今週は…

ひとりで焼肉に行くというのは淋しい行為だ。
と言うのは、誰が決めたのかわからない常識。

人はそういうものに縛られる。

ドラマの中で、女が、ひとりで焼肉屋にいる。
目的はストレス解消。彼氏とうまく行かなくて、それでここに来たのだ。
彼女は、ひとり焼肉は、ちょっと恥ずかしい行為だと思っている。
でも、来ているのだ。やってられないから。

そして、男が、ひとりで焼肉屋にいる。
彼は、うれしそうだ。
虫歯が治ったので、思う存分、肉を味わえるからだ。

女から見て、男は変わった人だ。ひとりで来てるのに、何でそんなに楽しそうなんだろう。

ふと、男が言う。

「僕は人となかなか仲良くなれませんから」

女が納得する。なるほどね。こんな変わった人じゃ、無理よね。

さらに、男が言う。

「でも、いちばん仲良くなりたい人と仲良くなれたからそれでいいんです」
「昔はその人のことがほんとに大嫌いで、仲良くなろうとしても無理で、とにかく嫌いで毎日泣いてました」

へぇ、それは誰なんだろう?と女は思う。

彼から返ってくる意外な答えが、この第2話のいちばんの感動ポイントである。
その言葉が女の心の奥底に響く。
そして視聴者の心にも。

さらに今回は、歯科クリニックで出会った男の子、宮本虹一(川口和空)くんと一輝が仲良くなるエピソードもある。
生き物に関する話が盛り上がり、ふたりは自分たちに共通点があることを実感し始める。

ただし、この二人は、オトナの常識からすれば、親しくなってはいけないのだった。
知らないおじさんとは、接触してはいけない。危ないから。
虹一の母・涼子(松本若菜)の手によって、その仲は裂かれてしまう。
気安く話しかけちゃ、いけません。何かあったらどうするの?

正論である。現代社会では実際、何があるかわからない。

おまけに一輝は、世間の尺度から言えば変な人だ。

次回の第3話以降、さらに深い絆がこの二人の間に生まれ、さらにオトナが許さない大きな事件に巻き込まれそうな予感。

ただ、第3話でも先生に何かを教わりたい。
楽しみである。

P.S.
森の中で「750メートル先に鹿のオスが一頭います」って、どれだけ耳がいいんだろう、この先生。
と思いきや、先生「メスのシカも一頭いました」
学生「鳴き声した?」先生「いえ」
学生「見たんですか?」先生「いえ、でもいました」…超能力者?

今から観るには:「僕らは奇跡でできている」

基本情報:関西テレビ火曜ドラマ「僕らは奇跡でできている」第2話 – 高橋一生 主演