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テレ朝木曜ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第1話 – 米倉涼子主演

「ドクターX」のほうが、やっぱりよかった、とか、そういうヤボなことは言わない。
そのまま続けていれば安定した数字を取れる「ドクターX」をきっぱり卒業して、新たな挑戦をしているテレ朝と米倉涼子を応援したい。
ただし、タイトルの形式は同じである。XがVに、大門未知子が小鳥遊翔子(たかなししょうこ)に差し替わった形だ。

今回のキメ台詞は「私、弁護士資格ないので」だ。米倉涼子が演じる小鳥遊翔子は、資格を失った元弁護士。彼女は強引にメンバーを寄せ集めて弁護士事務所を立ち上げる。
資格はないが、その知性と経験を生かして、自分は背後から支援する役割に廻ろうというわけだ。

そこが、自らの手で難易度の高い手術を成功させてしまう米倉涼子とは違う。裏方からしか行動できないという制約のなかで、どのような鮮やかな解決策を導き出すことができるかどうかが、ドラマの面白さのポイントになるであろう。

まず、裁判で敗訴して依頼人の母を自殺に追い込んでしまい、挫折しかけていた若手弁護士、青島圭太(林遣都)を誘う。そして、弁護士資格がありながら自分では法廷には立たず大学で教鞭を執っていた京極雅彦(高橋英樹)をおだてて代表に据える。他にもいろいろ個性的なメンバー(前科者も数人いる)を集めて、事務所を設立するプロセスが第1話で描かれている。

そして早くも初仕事が舞い込むが、最もむずかしいと言われる痴漢冤罪だ。
会社員・安田勉(アンジャッシュ児嶋一哉)が、通勤電車の中で女子大生・三島麻央(山谷花純)に痴漢行為をしたとして起訴される。
一般的に痴漢が冤罪として認められることは非常に少ないとのことで、示談を勧められるが、安田は「やってない」と主張し続け、裁判に持ち込まれる。児嶋一哉の必死の形相の演技が見ものである。

新事務所に引き抜いた若手弁護士の青島が担当するものの、経験値不足で、どうもうまくいかず、裁判は敗色濃厚。
そこで、翔子が秘策を使って大逆転を試みる、と言う展開であった。

第2話以降も、彼女の頭脳と執念で、いろいろな難事件を鮮やかにひっくり返す、と言うのが、このドラマの勝利の方程式となるだろう。「ドクターX」シリーズの領域まで成長できるか、楽しみである。

P.S.
オンエアの最後の数秒で「資格を持たずに弁護士業務はできません」というテロップが出る。テレビショッピングで「個人の感想です」と表示せざるをえないのと同じなのかも知れない。

基本情報:テレ朝木曜ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第1話 – 米倉涼子主演