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関西テレビ火曜ドラマ「僕らは奇跡でできている 」第1話 – 高橋一生 主演

大学の講師(高橋一生)が、教室で学生に質問する。

…イソップ物語の「ウサギとカメ」で、カメはウサギに追いついたときに、なぜウサギに声をかけなかったのでしょう?

この第1話の最後にその答えが出る。ちょっとグサッと来る結論。それだけで観る価値のある回だった。

主演・高橋一生が扮する相河一輝は、何かに夢中になると約束の時間も忘れてしまったり、自分の興味のあることについては相手が聞きたいかどうかに関係なく喋り続けてしまう。そして頑固で偏屈。自分が虫歯になったことを家政婦のせいにしたり、とても社会性があるとは思えない人格。

友だちだったら付き合うのは大変そうな男だが、純粋さを失ってしまった現代人が忘れたハートを持った人格でもあり、そこが視聴者の心を打つ。

高橋一生と言えば、民放のゴールデン枠でよくぞやったと思えるようなドラマ「カルテット」で「鶏の唐揚げにレモンを絞るかどうか、まず聞いてからにしてください」と怒り出すような、めんどくさい性格のヴィオラ演奏者・家森諭高が記憶に刻まれている。
今回「僕らは奇跡でできている」の相河一輝は、その変人加減をさらにエスカレートしたような役柄。「カルテット」のあのシーンが面白かったと思える視聴者は十分楽しめるだろう。

けして幅広く大衆受けするドラマではないかも知れない。ただ、前クールでは吉岡里帆主演で「健康で文化的な最低限度の生活」という、生活保護受給者を扱った、民放の良心とも言えるこの枠。次回にもぜひ期待したい。

P.S.
相河先生の家には、なぜ家政婦の山田さん(戸田恵子)が同居しているだろう?その謎は、第2話以降に持ち越し。

基本情報:関西テレビ火曜ドラマ「僕らは奇跡でできている」第1話 – 高橋一生 主演

今から観るには:「僕らは奇跡でできている」