米国ドラマのリメイクである。目的のためなら手段を選ばない豪腕弁護士・甲斐正午に織田裕二。彼の片腕として働く頭脳明晰な若手弁護士(?)鈴木大貴に中島裕翔。

このコンビが、難しい訴訟や係争を解決していくという物語だ。

今回の第1話は、このふたりの出会いと、その関係を構築するストーリー。鈴木大貴の「弁護士」にクエスチョンマークをつけたのは、ちょっと訳ありなのだが、それは見てのお楽しみである。

全体の印象としては、緊迫感あふれるハードなエンタテインメント。「ブラックペアン」「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」にも通じる、多少の反則技を使ってでも強引に物事を進める人物を主役に据えることが最近の流行りのようにも感じる。
同じタイミングで、米倉涼子が「ドクターX」シリーズを卒業して挑む「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子」も始まるので、違いを楽しむのもありかも知れない。

昔からのドラマファンにとっては、かつて同じ月9で一世を風靡した「東京ラブストリー」以来の織田裕二と鈴木保奈美の共演ということも話題のひとつだ。鈴木保奈美は、弁護士事務所を統率する所長役で、織田裕二の上司である。お互いのキャラクター設定は、あくまで仕事に生きるハードな人格なので、今回を見る限りは、ふたりが恋愛関係に発展する匂いはない。あくまで仕事上の信頼関係だ。

同じ弁護士事務所に勤めるメンバーのキャラクターも色とりどり。
甲斐の秘書・玉井伽耶子(中村アン)、大貴が一目惚れするパラリーガル・聖澤真琴(新木優子)、そして甲斐をライバル視する弁護士・蟹江貢(小手伸也)。
前クールの月9「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」では、主演の沢村一樹だけでなく、周辺のキャラクターにもそれぞれ厚みがあって楽しめたが、今回もそれぞれの登場人物の個性の火花が散りそう。今回はそれらの人物関係をひととおりセットアップし終わったが、次回からの展開に期待。

P.S.
映画「カメラを止めるな」の監督役だった濱津隆之がちらっと出演していた。

基本情報:フジテレビ月9「SUITS/スーツ」第1話 – 織田裕二・中島裕翔

今から観るには:「SUITS/スーツ」