このドラマの最終話は、ついさっき、2018年6月22日(金)の22:00からオンエアされた。
他のドラマが、FIFAワールドカップが始まるとともに最終話を終えたなかで、日本代表が奇跡的に初戦のコロンビア戦で勝利した直後である。
そして、まだ見ぬ第2戦のセネガル戦は、このあとの日曜深夜だ。

他のドラマが、こういう落ち着かないタイミングに最終話をオンエアすることを避け、早々と終わってしまった中での、満を持しての大団円を迎える。

このドラマ、家庭生活を崩壊させるショッキングな展開の連続だったが、最後に用意された結末は、たぶん、いくばくかのハッピーエンドになるであろう。
さすがに、あまりにも後味の悪い終わり方はしないんじゃないだろうか。
そうは言っても、10話を通じて徹底的に破壊されてしまった佐藤夫婦と茄子田夫婦の家庭が、たった1話の1時間で、完全に元に戻るなんて、ありえないだろう。

おそらくは「あなたには帰る家がある」という、この同名小説の秀逸なタイトルの世界観に落ち着くんだろうな、という予想をしていた。

一生かかっても埋まらないであろう溝や、矛盾を抱えていても、それでも、外の世界で傷ついてきた自分を「おかえり」と言って迎えてくれる家だ。
子供のころ、親と喧嘩して家出をしても、また同じ家に戻ってくる。
戻ってきたあとも、問題が解決しているわけではなく、汚染された息苦しい空気を我慢しながら生きていくのだ。
イヤかも知れないけれど、あなたの帰る家は、そこだよ。
人によっては、物理的には存在しないかも知れないけど、たまに会う元夫婦の会話の中に、その「家」がある。

このドラマの最終話は、ちょっとした事故でエレベーターに閉じ込められてしまった4人の、あまりにも赤裸々な会話の中から、ひとつの結論を導き出す。

中谷美紀と玉木宏がラストシーンの会話のあとに歩き出す、ほんの数秒のカットに、ありきたりなハッピーエンドではない、このドラマの制作陣が伝えたかったメッセージがこめられていた。

P.S.
玉木宏と、あの「勇者ヨシヒコ」のムラサキ役、木南晴夏との結婚が報道されたのも今週だった。

基本情報:「あなたには帰る家がある」最終話(第11話)

今から観るには:「あなたには帰る家がある」