この「コンフィデンスマンJP」最終・第10話の地上波テレビでの放映は、2018年6月11日。
そう、歴史的な日朝首脳会談の前夜だ。
NHKの9時のニュースは、その話題で持ちきりであろう。
そんななか9時きっかりに、いつもの偉人の名言から始まった15分拡大スペシャル。

結論から言うと、2018年春ドラマの中で、最高傑作のひとつに数えられる回。
すばらしいの一言に尽きる。

このドラマ、週替わりのゲストが、ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)の3人組の詐欺師チームに騙される、と言うのがお決まりのパターン。

最終話のゲストは、佐藤隆太。
ボクちゃんがバイトをしていた引っ越し業者の新人、鉢巻秀男という男だ。

その男が、ボクちゃんに連れられ、ダー子のスイートルームを訪れるのだが、ここでまさかの展開。
実は鉢巻は、過去に騙された亡き父(麿赤兒)の恨みを晴らすために、ここに殴り込んできたのだ。

騙されたのは3人のほうだった。

鉢巻の子分たちに囲まれ、拳銃を突きつけられ、ダー子たちは、大ピンチ。
しかも、本名や生い立ちまで調べ尽くされており、その正体を丸裸にされ、精神面でも追い詰められる。
詐欺師にとって、こんなにプライドを傷つけられることはないだろう。
それより、命が危ない。

古沢良太さんの脚本と言うことで、ダー子たちが助かる意外な仕掛けがあるんだろうな、と期待するものの、始まって30分過ぎてもどういうオチが仕込まれているのか想像もつかない。

まったく逃げ場が見つからず、ついに9時53分に、万事休す。

そしてCMである。

DVDやストリーミングで観ると、このCMの間がないわけだが、「15分拡大スペシャルなのに、今、終わっちゃったよね。まだ20分以上もあるけど、いったいこのあと何が放送されるんだろうか」と考えを巡らせる2分間は、ライヴで観ているからこそ味わえるひとときだった。

さて、そのCM明けから、種明かしが始まる。それも、じわじわと。

なるほど、そうだったのか。
ここまでの推理はできなかった。

今回いちばん騙されたのは、視聴者だった。

過去にどんな悪さをしたかを観てから最終話に臨んだほうがよいが、第1話から続けて観るのは億劫で全く観ないくらいなら、この最終話だけでもぜひ、おすすめである。
そして、最終話をよーく観てから、第1話を観ると、またちょっと楽しい。

P.S.
五十嵐(小手伸也)が喋ってる途中でバシっと切られるのが、妙によかった。

基本情報:フジテレビ月9「コンフィデンスマンJP」最終話『コンフィデンスマン編』 – 長澤まさみ主演

今から観るには:「コンフィデンスマンJP」