最初からこのドラマには、ふたつの医大の教授が、日本外科学会の理事長の座を争っているという構図がある。
そのためには、二人とも医療論文で稼ぐことのできる「インパクトファクター」という点数を稼ぐ必要がある。

帝華大学の西崎教授(市川猿之助)は、インパクトファクターを稼ぐためには手段を選ばない悪いヤツ、として描かれている。
いっぽう、東城大学の佐伯教授(内野聖陽)は、医療に対する確固たる哲学を持つ紳士的な役柄で、主役の渡海征司郎(二宮和也)に一目を置く応援者として描かれている。
ただ、これまでの全5話には、佐伯教授は必ずしも純粋な善人ではなく、奥底に邪悪な裏の顔を持ち合わせていることを匂わせる場面が散りばめられてきた。

この第6話は、その佐伯教授が隠している深い闇を確信させるシーンから始まる。
そして最終シーンで、渡海医師が放つ一言が、それを決定づける。

それが何なのかは次回以降に解き明かされるようだ。

さて今回、運命の大手術を受ける患者は、なんと渡海医師の母・春江(倍賞美津子)である。
食事中に倒れて、緊急搬送されてくるのだ。
ドラマの第1話から一貫して、心臓に難しい疾患を抱える患者ばかりで、なおかつ主役の母親までそんなことになるとは。さすがにちょっと無理やりな感じもしてきたが、今回は、これまでにはなかった難しい状況に追い込まれる。
「ドクターX」でも同様の設定が出てきたが、医師は自分の肉親には執刀できないという不文律がある。このため、渡海征司郎の腕がいくらよくても、自らの手で助けることはできないのだ。

まあ母親なので、ドラマ的には最後には助かるのだが、どうやって助かるかが見ものである。
すごい話になってきた。

P.S.その1
毎週恒例の、治験コーディネーター木下香織(加藤綾子)がお食事の場に使うミシュラン店、今週は六本木のミシュラン三ツ星の和食店「竜吟」。
ドラマの中では「このあと食事でもいかがですか」との誘いで、ふらっと訪れる店となっているが、コースで27,000円、サービス料10%とのことです。

P.S.その2
やっぱり嵐の二宮くんだけに、彼が食べる白いご飯の炊飯器は日立製だった。

基本情報:TBS日曜劇場「ブラックペアン」第6話 – 二宮和也 主演

今から観るには:TBS日曜劇場「ブラックペアン」 – 二宮和也 主演