悪いことをしてもいいのか。悪いに決まってるだろう。

目の前に明らかに悪いことをしたヤツがいるのに、それを証明できないもどかしさ。
昨今の日本政府に関するニュースでも日本国民が体験ずみの感覚である。

そこで「正義のセ」だ。

今回のお題は結婚詐欺。
それも被害額は1千万円。

絶対にあの男は、やってる。
しかし証拠がない。

でも、許せない。

相原事務官(安田顕)から凜々子(吉高由里子)が、何度も注意されているように、検事は冷静でなくてはいけない職業。ただ、シラを切っている犯人を目の前にして、感情的にならずにはいられないだろう。
そんな新米検事の凜々子の燃え上がる正義感に、ぴったり寄り添って応援したくなる、そんなドラマである。

日曜日に満を持して第1話が放送された「ブラックペアン」が、その最たるものだったが、「Missデビル 人事の悪魔・椿眞子」、「コンフィデンスマンJP」と、清潔な正義感や性善説とは真逆の作品群が出揃った。

現実では絶対にやってはいけないことを疑似体験することがエンタテインメントにもなりうる。

この「正義のセ」は、第1話、2話と観るうちに、吉高由里子の愛くるしさと熱演は好感が持てるものの、刺激の強い他の作品に比べてインパクト不足なのではないかな、という感じもしていた。

ただ、この第3話は、「ブラックペアン」や「Missデビル」と言う強度のアルコール飲料を飲んだあとのソフトドリンクながら、忘れていた正義感を呼び起こしてくれた。
凜々子と視聴者が一緒に、証拠をアゲられない焦りや、「絶対にこの犯人を起訴してやる」という気持ちを共有することができた。

「許せない…私が許せないのは(証拠をアゲられない)自分です」と言う名セリフも出て、ジーンとする。

そして、事件の解決への運びは、鮮やかにキマった。

でも、そのあとの、最後の最後は、ああいう風にまとめなくてもよかったのにな。
やや後味悪い。

PS.
結婚詐欺は、なかなか立証できないということで、非常に勉強になった。
相原事務官(安田顕)は、実は鉄道マニアだと言うことが判明。

今から観るには:「正義のセ」 – 吉高由里子主演

  • 第1話〜最終話: Hulu(フールー)(月額1,026円、無料トライアル期間、最新話見逃し無料などあり)

基本情報:「正義のセ」第3話 – 吉高由里子主演