このドラマは検事になりたての凜々子(吉高由里子)が、経験値が少ないなかでも、なんとか事件の背後に隠された事実を解明し、解決に導くという、基本的には1話完結型の形式である。
その主筋の合間に、本人のプライベートなエピソードが散りばめられる。

この第8話のメインはひき逃げ事件だったが、彩りを添えたのは、凜々子の父親(生瀬勝久)だった。
彼の「浮気疑惑」が発覚し、家族は大慌て。
検事である凜々子が商店街で「捜査」をする。最後には下町の豆腐屋の頑固オヤジらしい人情を感じさせる「事件」であったことがわかる。

前回の第7話では、事務官・相原勉(安田顕)が忘れ物を届けに凜々子の家を訪れるエピソードがあったが、職業とプライベートが完全に分かれているのではなく、プライベートな場にも少し職業との絡みを含ませることでアクセントにすることを試みている。

ただ、1話完結型の主筋に対して、この副筋も、単発なエピソードでなく、数話を通じて進展していくようなものであるほうが、続けて観たくなる動機になるのではないだろうか。
第3話の意外な結末以降、ストーリーの中での新米検事・凜々子(吉高由里子)の恋愛の比重は非常に低くなり、凜々子は仕事に生きる女になった。たとえば、そんな凜々子を愛し、デートの途中で彼女が呼び出せれても応援する存在としての彼氏との関係が進展していくような流れがあったら、ドラマ全体の厚みが増したかも知れない。

P.S.
近藤春菜サイコー。ほんの数十秒のゲスト出演なのに存在感抜群で、なおかつ事件解明のためのキーパーソンになっていた。

基本情報:「正義のセ」第8話 – 吉高由里子主演

今から観るには:「正義のセ」 – 吉高由里子主演