前回・第5話の「ベビーカステラ」に続き、今回も寡黙な捜査一課長・大岩純一(内藤剛志)の「なに!ご遺体のそばから、ピンク色の人影がゆっくり走って逃げた?』と言う、何とも滑稽な一言から始まった。
さすがに第6話ともなると、このドラマのお決まりの形式が把握できてきて、そこがまた楽しい。
被害者(捜査一課なので、ドラマが始まった時点では殺されている)と、被疑者はゲストで固められている。

大岩課長が捜査本部のメンバーを集めた部屋で述べる訓示は必ず2回ある。
1回目は捜査のキックオフ。そして2回目は行き詰った状況を打開するこれからの捜査指示。
この2回目はなぜかいつも、人海戦術で片っ端から聞き込みをしよう、というパワープレイの捜査しよう、という話になる。ここで必ず「被害者の無念を晴らすためだ」という気持ちに訴えるお言葉が入る。

そして、強面ながら気立ての優しい、警視庁刑事部長(笹川健志)が登場する、ちょっとした箸休めのような枠も必ず毎週ある。

大岩課長が家に帰って奥さん大岩小春(床嶋佳子)と会話をするシーンも必ず2回。まだ事件の捜査中のつかの間の団欒と、事件解決後にホッとして家に帰ったときの夫婦の会話。

こうした、いつも同じ定番シーンや固定キャラクターと、今週ならではの新しい切り口や個性的なゲストとのバランスが絶妙である。

馴染みの定食屋に週替わり定食を食べに行くようで、安心して観ていられる。

今回のテーマは、ジョギング。
最近のランナーは、腕にスマホケースをつけている。
スマホアプリで自分の走った軌跡を記録できるためだ。

舞台は、隅田川の両国付近。
両国橋からスタートして吾妻橋で折り返す。コースの途中で、アサヒビール本社ビルやスカイツリーが見える。
ここ、走ったら気持ちいいかも、と思わせる、川沿いのコース。

地元の会社を経営する、マラソン好きの社長・荒井輝路(ベンガル)が、夜にこのコースでジョギングをしている時間帯に殺された。彼も腕にスマホをつけていた。

この社長は、自ら独断でマラソン大会を企画し、社員全員に参加を強制するような下町のワンマン経営者だった。
社員の家族も必ず参加、なおかつ、順位がボーナスの査定にも影響すると言う、とんでもないイベント。

ひどいパワハラ野郎だ。
社員の中にひとりくらい、深い恨みを持っていて、殺す動機があった者がいたかも知れないことは納得できる。

そして、事件があった夜、ショッキングピンクのトレーニングウエアを着て、歩くよりも遅いスピードで走る怪しい人物が防犯カメラに写っていた。
それが、同社の社員の北園晴美(柳原可奈子)。

そして、捜査員の谷中萌奈佳(安達祐実)が晴美の部屋を訪れると、家じゅう何もかもピンクだ。
こりゃ、クロだろう。

しかし、話は意外な方向に発展する。
スマホも大事な役割を果たしている。

今回の謎解きも結構むずかしく、鮮やかに騙された。最後まで楽しめた。

P.S.
来週のゲストは、室井滋、田中律子だ。こりゃ観なきゃ。

基本情報:「警視庁・捜査一課長season3」第6話 – 内藤剛志 安達祐実 出演

  • タイトル 警視庁・捜査一課長season3
  • チャンネル テレビ朝日系
  • 放送日時(第6話) 2018年5月17日(木)20:00〜20:54
  • 出演 内藤剛志 安達祐実 本田博太郎 矢野浩二 鈴木裕樹 塙宣之(ナイツ) 床嶋佳子 金田明夫
  • ゲスト 柳原可奈子 ベンガル 中原果南 逢沢りな 山田純大