まず最初に、救いようがないショッキングな結末を予感させるシーンで始まる。

そして次に時間が巻き戻され、先週のメンチカツ事件が決定打となって、茄子田綾子(木村多江)は本当にヤバい女だ、ということを、佐藤真弓(中谷美紀)が実感したところから始まる。

真弓にとって、夫・秀明(玉木宏)がやってしまったことは、一生許せないことだ。
水に流すなんて気分にはとてもなれない。気丈に振舞っても、自分の内面はズタズタ。
それでも愛する娘のいる家庭を守るために、現実を受け入れて、建設的に切り替えようとする。

ただ、自分たちから茄子田家を切り離そうとしているのに、またしても意外な場所で彼らと遭遇する事態に巻き込まれてしまう。

そして物語は、真弓の前に現れた茄子田太郎(ユースケ・サンタマリア)の長ゼリフでクライマックスを迎える。
裏切られた側の真弓が、なぜそんなに耐えなくてはいけないのか、と言う主旨の、攻撃的ながら、グサッとくる正論。

そう言えば、先週の第4話でも、真弓は、そんなことを言われる筋合いもないはずの綾子にズバっと言われてたっけ。
納得できないが、正論にも聞こえてしまう、それもある意味、真実を突いたような一言だった。

すべてが壊れてしまう恐怖いっぱいの第5話は、最初にちらっと紹介されたシーンから予想されるのとはちょっと違った流れになり、あっけに取られている間に第6話に繋がる。

次回も大波乱、ハラハラドキドキの連続であろう。

P.S.
第5話を観る前に、木村多江さんのインタビューを見つける。
「あなたには帰る家がある」×オレンジぺージnet 【第2回:SPインタビュー】木村多江さん Interview 前編
女性の視聴者から見て嫌われる女であるだろうことは理解していること、それでもこの綾子という女性の立場や気持ちを理解し、愛しながら演技しているという。結果として綾子という人物像に命が吹き込まれ、そのとおりの存在に見えていることに、ただならぬプロフェッショナルな女優魂を感じた。

基本情報:「あなたには帰る家がある」第5話

今から観るには:「あなたには帰る家がある」