袴田吉彦ネタ、まだ引っ張っていた！！
交換殺人ゲームの流れの中で、細川朝男（野間口徹）を殺害すると共に、自身も意識不明の重体に陥っていた久住譲（袴田吉彦）が、病院で目覚めた。
……はいいが、事件の詳細を聞こうと主人公・手塚翔太（田中圭）が駆けつけてみると、なんと久住、自分のことを、若い頃の袴田吉彦だと思い込んでいて！？
という笑撃の展開からはじまった反撃編第4話。
どうもこれは、事情を話さずごまかしたい久住の演技っぽいのだが、それにしても、こういう手で来るとは（爆笑）。
これまでもさんざんイジられていたけど、袴田吉彦、よくこの脚本OKしたなあ。
だが、「あな番」は、笑うだけで終わりになるような手ぬるいドラマではない。
今回も、いろんな要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。
マンション近くで開催される夏祭りに、住民たちも露店を出すことになり、焼きとうもろこしの店を皆で協力して出店。その夏祭りの場で、徐々に接近していた二階堂忍（横浜流星）と黒島沙和（西野七瀬）が、翔太のアシストもあって、ふたりきりでいい雰囲気に。
しかも、黒島が転んで下駄の鼻緒が切れ、二階堂に背負われて送ってもらうなどという、少女漫画の定番展開！！ なんだこれ、「あな番」ってこういうドラマだっけか！？ と思いながらも、ニヤニヤしてしまう。
同時に、ダークな展開もしっかり入っている。
二階堂のAI捜査で、怪しい人物として、はじきだされたのはなんと、まだ14歳の榎本総一（荒木飛羽）だった。その総一が、5歳の北川そら（田中レイ）を祭りの夜に、人気のない場所へと連れだしていく。
実は、総一については、これまでも怪しい描写があるにはあった。だが、14歳がサイコパスで、身近な5歳に危害を加えようとする物語というのは、社会通念的にタブーなのではないかという思い込みがあって、まさかね……となんとなく加害者から、彼を除外していたのだが、本当にやってしまった。
フィクションで自粛しすぎることは、決していいことではないと思うが、これ、大丈夫なんだろうか。物語としては、確かに面白い展開だけれど、勇気あるなと感心してしまった。
ただ、流石に後味が悪くなるからか、総一は駆け付けた翔太たちに止められ、この犯行は未然に防がれる。それでホッとしたのも束の間、黒島が狙われて――！？
というところで次回へとなるのだが、黒島が生き残れたかどうか、気になるところ。反撃編は、第1章と違って「毎週、死にます」と銘打ってはいないから、死人が出なくてもおかしくはない。あれほど甘い雰囲気に二階堂となった直後に死亡では、あんまりだし、ここは生き残ってほしいところだ。
そう思う反面、もし死んでしまったなら、好きな相手を殺された同士ということで、翔太とのバディの絆はより深まるだろうし、連続殺人ゲームの解明は二階堂にとっても、反撃行為になるはず。不謹慎だとは思うが、復讐モードの二階堂も見てみたい気がする。
次回予告では、黒島の安否は描かれていない。
代わりに、これまでマンション住民の警察官・榎本正志（阪田マサノブ）に脅され、捜査の進展を遅らせていた刑事・神谷将人（浅香航大）が、懲戒免職寸前まで追い込まれる様子がメインになっていた。だが、ひと癖ある登場人物ばかりのこのドラマで、彼が大人しく退陣していくとも思えない。何をやらかしてくれるのか、はたまた予想外に心を入れ替えて、翔太たちの協力者になってくれるのか。
気になる箇所が多すぎて、次回が待ち遠しい。
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