食事の油分や糖分を減らして、薄味にして、節約して、いつまでも健康に一緒に暮らそう。

毎日ラブラブでなくてもいい。ケンカしてもいい。
そして、他人にどう見られようと構わない。

劇的ラブストーリーとは真逆の、全くドラマティックではない日常生活を舞台にした愛情を描いたこのドラマは、2019年の春の記憶に刻まれた名作だった。

ゲイカップルのドラマなんて気持ち悪い、と思ってまだ観ていない人がいたら、それは勿体ない。

西島秀俊はこう言うだろう。

はい、そう思われても構わないよ。
あなたが知らなかった幸せがここにあるけどね。

さて、この最終回、前回からの流れでシロさん(西島秀俊)が、実家にケンジ(内野聖陽)を連れて行くというスペシャルエピソードはあったにせよ、何かが終わった感じはせず、かと言って、続きが絶対にあることを匂わせるような感じもない。

近いうちに戻ってきて、末長く何シーズンも続けてほしいが、この登場人物がもう一度出揃うことができるのか、ちょっと心配ではある。ただ、これで最後ではないと思いたい。

いずれにしても、民放の連ドラにしては、2話ほど多く、12話も楽しめたことに感謝。

大真面目な言い方だが、このドラマのひとつの「功績」として、LGBTに対する先入観や誤解の解消に少なからず貢献したことも挙げられるだろう。シリアスなドキュメンタリーや報道番組のように正義感を振りかざすような説教くささがなく、ドラマをふつうに観ているだけで、笑いながらも「なるほど、そうか」と、心から納得できる。

なぜかと言うと、同性愛者に何らかのレッテルを貼って失礼な言葉を投げかける人物たちが、ドラマの中で何度も登場するからだ。自分も、もしかしたらゲイの人たちをそう見てたかも、と自然に気づく。

この最終回でも、シロさんが意を決してパートナーを両親に会わせるのだが、その両親がやっぱり思い違いをしている。
どういう思い違いかは、観てのお楽しみだ。

ついに対面したシロさん、ケンジ、シロさんの母・久栄(梶芽衣子)、父・悟朗(田山涼成)の4人誰もが緊張して、気まずい沈黙が流れる演出がリアルだ。

そして最終回のアクセントにもなっているのが、いつもはシロさんの語りで進行するお馴染みの調理シーンに、母親が絡んでいること。この母あって、この料理好きの息子ありだ、と言うことがセンスよく描かれていた。

P.S.

お母さんの鶏の唐揚げ
・鶏もも肉2枚
・しょうが、にんにく、塩小さじ1/2、胡椒、酒大さじ2、しょうゆ大さじ1
・卵

お母さんのカブの葉とじゃこ炒め
・カブの葉、じゃこ
・ゴマ油
・酒、みりん、しょうゆ、白ごま

P.S.2

高校生時代の写真は、もしかして本人?

今から観るには:「きのう何食べた?」

基本情報:ドラマ24「きのう何食べた?」第11話