冒頭に、前回エンディングで久住譲(袴田吉彦)に襲われた、細川朝男(野間口徹)が死亡。
これで、交換殺人ゲームの被害者は、9人になった。
ここに至るまでこれらの事件は、ひとつたりともまともに解決していない。
そんな中で、手塚菜奈(原田知世)・手塚翔太(田中圭)夫妻は、榎本早苗(木村多江)、黒島沙和(西野七瀬)と共に事件の情報を整理し、推理していくことになる。
これまでも、この顔ぶれで事件について考える場面は何度かあったが、少しずつ連帯感が出てきはじめていた。だから、これからこのチームで事件を解決していくのか……と思いきや、そう単純にいかないのが、このドラマ。
一部屋に集っての捜査会議の最中、翔太は早苗と黒島も疑っていると言い切る。
菜奈のとりなしで、その場はおさまるのだが、ふたりきりになったところで、今度は菜奈のほうから翔太に、早苗のことを庇っていいのかは、わからないと話す。
菜奈は刑事の神谷将人(浅香航大)に、事件のことを相談していたのだが、その神谷は連続殺人ゲームが行われたという事実を、自分の手元にとどめ、警察に報告していなかった。菜奈は、その理由を神谷の言葉の感じから、早苗の夫で警察官の榎本正志(阪田マサノブ)が、裏で動いているせいではとの疑いを持っていたのだ。
榎本が動くなら、それは早苗を守るために違いないとの意見で一致した手塚夫妻は、早苗のことも調べなければと思いはじめる。
もう登場人物の誰ひとりとして怪しくない人はいない状況だ。2クール予定のドラマだから、まだ半分も進んでないとはいえ、第8話にもなって、ここまでカオスなのも、なかなか珍しい。
誰が事件にどう関わっているのか、見ながらじっくり推理したいところだが、そんな悠長なことをさせてくれないのが、このドラマ。冒頭で細川が死んでいるし、今回はもう事件は起こらないかと思っていたら、しっかり起こってしまった。
それも菜奈が引いた紙に書かれていた甲野貴文(鈴木勝大)が、交換殺人ゲームの件を忠告しにいった菜奈と翔太の目前で――!? というところで次回へ続くとなってしまう。
おかしな様子は映っていなかったが、これでは主人公・菜奈すら怪しくなってくる。また、菜奈たちは気づいていないが、この事件の寸前に甲野の名を殺したい相手として紙に書いた田宮淳一郎(生瀬勝久)が、ほんの一瞬だが、さらっと背後に映りこんでもいた。
フェイクかもしれないが、こういうフェイクもこのドラマの上手いところ。
この手のものが随所に散りばめられているから、すわ手がかりか!? となって、あれこれ事件についての想像をたくましくしてしまう。
お陰で回を重ねるごとに、見終えた後、このドラマのことを考える時間が、泥沼にはまるように増えてゆく。「あな番」制作陣、恐るべし……。
そして気になる次回についてだが、予告を見ると、今回疑いの目を向けられた早苗が、
「だめえええええ!!」
と鬼の形相で絶叫するシーンが。さらなる急展開になることは間違いない。
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