いつでも結婚できると過信しているが、実はかなり不器用なハイスペック独身男子をイジり倒すドラマの第4話。

なかなかチャレンジングな企画でもあり、このドラマの「見づらい」部分があるとすれば、登場人物の気持ちに寄り添った見方ができないこと。

視聴者は、「東京タラレバ娘」なら吉高由里子、「私 結婚できないんじゃなくて、しないんです」なら中谷美紀が演じる主人公に、自分の目線を重ね合わせて、応援するような気持ちで観ることができる。

ところが、このドラマ、三人の独身男子のなかでも主役級である石橋太郎(高橋一生)を自分に重ね合わせて観ることは、男性の視聴者ですら、むずかしい。彼は、前回・第3話の「二番目」発言でわかったように、「何を言い出すかわからない」「何を考えているのかわからない」男なのだ。

ちょっと宇宙人的でもある、高橋一生にぴったりの役柄である。

この作品、今回は、これまで第三者的なポジショニングだったバーテンダー、レイカ(宮本茉由)までもが参戦し、ますますドタバタな展開となったが、そのなかでもズバリと本質を突く場面があった。

独身仲間三人組のリーダー格、岩倉和彦(滝藤賢一)の部下である日比野透子(桜井ユキ)が太郎に向かって放つ一言だ。

「いつもハタから見てるだけでなかなか飛び込まない」

イザと言うときに思い切った行動に出ることができない、今どきの独身男のダメな部分を痛烈に指摘している。

全4話を通じて言えることは、この独身三人組は、ひとり残らず自分本位で「自分の恋愛がどうなのか」という脳しか持ち合わせておらず、相手の女性の気持ちを少しでも思いやろうという気配がない。

このドラマは、登場人物の気持ちに寄り添って観るというより、女性目線で見れば、かねてから感じていた「無神経な情けない男あるある」をズバリと斬り捨ててもらう爽快感を体験し、男性目線で見れば、男が「斬られる」場面を見ることで、自分もそうかも知れないとふと気づく体験をする、これまでにないユニークな作品なのだ。

ただ、そう言えば太郎は、いつでもそのような煮え切らないヤツだったわけではない。第1話の結末では元恋人の舞衣(高橋メアリージュン)に、思い切ったことを言ったではないか。

その「効果」が今になって、ものすごく悪いタイミングで表れる。

今後さらに荒波が容赦なく襲いそうで、この三人が最後にどこに流れ着くのか楽しみな作品である。

P.S.
そうは言っても、出会ったときとは全く違う姿に豹変する「ゴジラ女子」には要注意です。

今から観るには「東京独身男子」

基本情報:テレ朝土曜ナイトドラマ「東京独身男子」第4話 – 高橋一生・斎藤工・滝藤賢一

  • タイトル:東京独身男子
  • チャンネル:テレビ朝日系列
  • 番組公式サイト トップ あらすじ 人物相関図 キャスト・スタッフ
  • 放送日時(第4話) 2019年5月11日(土)23:15〜24:05
  • 出演
    • 石橋太郎:高橋一生
    • 三好玲也:斎藤 工
    • 岩倉和彦:滝藤賢一
    • 三好かずな:仲里依紗
    • 竹嶋舞衣:高橋メアリージュン
    • 日比野透子:桜井ユキ
    • 糸井立樹:早乙女太一
    • 岩倉和雄:小野武彦
  • 脚本:金子ありさ
  • 主題歌:高橋一生「きみに会いたい-Dance with you-」