プロレスのなかでは、反則技を興行上の演出として積極的に取り入れている団体もある。人は、常識や規則でふだん抑圧されているから、ルール違反を見ることそのものが楽しいのだ。この第4話、多くのドラマのなかでもおそらく「家政夫のミタゾノ」でしか成し得ないような「反則技」連発の展開が鮮やかに決まった。

おそらく他のドラマではこんなわけのわからない設定にしてしまったら解決はできないのではないか、というレベルまで話を散らかしておいて、予想もつかない形で優秀な「家政夫」が、それを片付けてしまう。

今回、家政夫・三田園(松岡昌宏)が派遣されるのは、不正を絶対に許さない厳格な裁判官、その名も玄角厳吾(山崎一)の家。法廷では「お黙りなさい」が決めゼリフで、一切の妥協や感情移入を許さない。

妻と子供ふたりの4人家族だが、娘の名前は「正子」で、息子の名前は「公平」という徹底ぶり。
家でも厳格なのは同様で、息子のちょっとした寝坊にもペナルティが課される。

三田園(松岡昌宏)、光(伊野尾慧)、萌(川栄李奈)の3名は、そんな家庭内に隠された秘密を、次々に探り当ててしまう。

それは、玄角が担当している裁判にも影響を及ぼすほどの大きな話に発展する。

果たして、裁判と、この家庭の行方はどこへ。

これ以上のネタを明かしては勿体ないくらいの最高の回だったので、詳細は観てのお楽しみだが、グリーグ作曲「ペール・ギュント〜山の魔王の宮殿にて」をバックに畳み掛けるように展開する、どんなリーガルドラマでも観たことがないような最後の法廷シーンは、まさに必見。

そして、冷徹なようでいて、ほのかに愛の匂いがする結末は、いつもと同じ。

P.S.

今回、何かありそうで何もなかった(?)のが、太宰治の写真。

基本情報:テレ朝金曜ナイトドラマ「家政夫のミタゾノ」第4話 - 松岡昌宏 主演

  • タイトル:家政夫のミタゾノ
  • チャンネル:テレビ朝日系列
  • 番組公式サイト:トップ あらすじ キャスト スタッフ
  • 番組公式ツイート: Twitter@mitazono_desu
  • 放送日時(第4話):2018年5月10日(金)23:15〜24:15
  • 出演:松岡昌宏 伊野尾慧 川栄李奈 平田敦子 しゅはまはるみ 余貴美子
  • 第4話ゲスト:山崎一(厳格な裁判官、玄角厳吾) 中島ひろ子(玄角の妻、優美子) 矢作穂香(玄角の娘、正子) 田中奏生(玄角の息子、公平)