奇想天外なミステリードラマ「ミタゾノ」が金曜深夜に還ってきた。家政婦ならぬ家政夫・三田園薫(みたぞの・かおる)は、その甲高い声と、卓越した家事のスキル、依頼元の家庭に隠された問題を鋭く見抜く洞察力で、テレ朝の金曜深夜帯に確固たる地位を築いてしまった。3シーズン目の第1話は、そのヒーロー(ヒロイン)のカムバックにふさわしい、映画のようなゴージャズな始まり方をする。

松岡昌宏と言えば、TBSドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」で見せた知的で冷静な精神科医役が、主役の戸田恵梨香とムロツヨシを圧倒するほどの名演だったが、同じ彼が演じる三田園は、それとはまるで逆の「怪演」で、一挙手一投足が笑いを誘わずにはいられない。

三田園がお勤めをする家庭が週ごとに変わる1話完結型なので、過去の2シーズンから復習せずとも、今回から合流してもどなたでも楽しめる作品だ。

第1話で三田園が潜入する依頼元は、あの紀州のドン・ファンをモデルにした大富豪の家。
丼専門チェーン「丼・来放題(ドン・キホーダイ)」によって800億の資産を築き上げた、80歳の大富豪、豊洲のドンタンこと丹波幸之助(大和田伸也)の屋敷だ。

彼は命を狙われているらしい。しかも、ラブという犬(=ロボット犬だが)を飼っていて、さらに、月の半分は海外渡航をしているという歳の離れた美人女性、ユリア(太田莉菜)と結婚ばかり。しかも家政婦がいる、という設定もオリジナルのドンファンとそっくりにしてあるほどの凝りようだ。

この「ドンタン」殺害計画のミステリーを三田園が、手段を選ばない強引な手法で暴いてみせる。
結末の種明かしまでの流れも、見事だった。

そして相変わらず、ビールの消えた泡を復活させる意外な方法など、小さな家事テクニックも散りばめられていて、楽しく観ることができる。

P.S.

伊野尾慧の、ワザとらしい力んだ芝居は、そういう演出?

基本情報:テレ朝金曜ナイトドラマ「家政夫のミタゾノ」第1話 – 松岡昌宏 主演

  • タイトル:家政夫のミタゾノ
  • チャンネル:テレビ朝日系列
  • 番組公式サイト:トップ あらすじ キャスト スタッフ
  • 番組公式ツイート: Twitter@mitazono_desu
  • 放送日時(第1話):2019年4月19日(金)23:15〜24:15
  • 出演:松岡昌宏 伊野尾慧 川栄李奈 平田敦子 しゅはまはるみ 余貴美子
  • 第1話ゲスト:大和田伸也(豊洲のドンタン・丹波幸之助) 太田莉菜(幸之助の新妻・ユリア) 大島さと子(ドンファンの妹・丹波悦代) 三井善忠(婿・丹波貞雄) 二階堂智(顧問弁護士・勅使河原清) 山本圭祐(記者・月岡守) 帆足健志(秘書)