先週のラストシーンで盛り上がり始めた、鈴木大輔(中島裕翔)を取り囲む二人の女性との三角関係の行方も気になるが、実はそれがきっかけでこの第9話の結末に大きな「事件」が起こる。

副題に「今夜ついに最終章!緊急15分拡大スペシャル!」とあった。急に15分増やしたわけでもないだろうが、ついに大団円に向けてエンジン全開と言うことだろう。
どうやら来週の第10話が最終回ではなく、まだあと2話ありそうだ。

くしくも、この秋は弁護士資格を持たない法律家が主演を務めるドラマが2本並行して放送されている。

ひとりはテレ朝の「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」で米倉涼子が扮する、弁護士資格を剥奪された小鳥遊翔子。
そしてもうひとりが、この「SUITS/スーツ」で、司法試験の替え玉受験を仕事にしていたことがバレて弁護士になれなかった鈴木大輔(実は鈴木大貴)だ。

小鳥遊翔子は「私、弁護士資格ないので」が決めゼリフになっているとおり、その事実を公にしながら、弁護士を背後からサポートする役。先週あたりからドラマ全体の完成度も上がり始め、もしかしたら「ドクターX」に続いて、テレ朝定番ドラマの仲間入りをするかも知れない予感も出てきた。

いっぽう、このフジテレビ月9の大輔は、弁護士資格がないことは隠している。その正体を知っているのは、それを承知のうえで頭脳明晰な彼を自分のアシスタントとして採用した甲斐弁護士(織田裕二)で、まだ事務所内にもバレていない。

さらに、大輔に替え玉受験の仕事を斡旋した悪友、谷元遊星(磯村勇斗)と、その妹であり、大輔に心を寄せている砂里(今田美桜)が彼が偽物であることを知っている。この二人のどちらかを通じて、真実が明るみに出てしまうリスクが常にあるわけだ。

そして、今回はその経歴詐称をしている大輔にスポットが当たった回だった。

大輔が勤める「幸村・上杉法律事務所」の会計を担当している「YURI綜合会計事務所」のエース会計士・大河原忠(西村まさ彦)が、急に解雇を言い渡された。

解雇理由は、会計士資格がないのに25年間も地位を詐称していた、と言うものだった。

しかしながら、実際はもっと裏に何かあるらしい。
地位を詐称しているという意味では自分も同じ立場であることから、大輔は大河原に同情する。
そして彼を救おうと、大輔は甲斐の静止も止めずに「捜査」を開始してしまう。

その大輔の暴走は、事態を穏便にすまそうとしていた甲斐の計画をぶち壊しにしてしまう。

おまけに「YURI綜合会計事務所」所長の華村百合(石田ひかり)と「幸村・上杉法律事務所」所長の幸村チカ(鈴木保奈美)は旧知の仲であり、事務所同士でもお互いに会計と法律の顧問を担当しあっている親密な関係にある。チカは当然、大輔の行動を快く思わない。

このまま事務所にもいられなくなるのでは、というピンチを迎える大輔。だが、途中から何かに気づいた甲斐による援護射撃が始まる。なおかつ大輔に心を寄せる砂里と、パラリーガル聖澤真琴(新木優子)の献身的な協力もあって、大輔に追い風が吹いてくる。そして、背後に隠されていた大きな不正が暴かれる。

その過程のなかで、前回の結末で砂里に先を越された感のあった真琴の巻き返しが始まる。
最初は大輔に冷たく接していた真琴だが、もはやぞっこんであることが、甲斐の秘書・伽耶子(中村アン)との女子飲みの席で明らかになるのだ。

ところが意外にも、その恋愛関係の絡みが原因で、大輔に大ピンチをもたらす決定的な場面で第9話は幕を閉じる。
オリジナルの米国ドラマのシーズン1の結末がそれであったが、日本版では、あと2話を残しながらここに来た。

P.S.
蟹江先生のボウリングのときの服装が、派手。

今から観るには:「SUITS/スーツ」

基本情報:フジテレビ月9「SUITS/スーツ」第9話 – 織田裕二・中島裕翔