今回のテーマは組織ぐるみの大規模な結婚詐欺。
ドラマの前半で、男を騙した女が京極事務所に堂々と乗り込んでシラを切るシーンがある。
この数分間を見るだけで、結婚詐欺がなかなか罪に問えない難しい問題であることがわかる。
結婚したら家がほしい、と言ったとして、「あなたと」結婚したら、と言っていなければ、男が早合点して彼女に買い与えた土地は単なるプレゼント。
たとえその土地を彼女が転売したとしても、もらったものを売るのは違法ではない。
また、婚約指輪をあげようとしたら「時計がほしい」と彼女に言われて買った時計も、婚約の証ではなく、単なるプレゼント。
そして、こういうプロの詐欺師は、相手を掛け持ちしているものだが、複数の相手とつき合うこと自体は犯罪ではない。
こうした手練手管を駆使すれば、必死に婚活している真面目な独身者は、あっさり騙すことができる。
おまけに男女のつきあいには書面のやりとりがあるわけではなく、あとで訴えたとしても犯罪行為を立証しづらいものだ。
これはドラマの世界だけの話ではなく、現実にも日々起こっていることに違いない。
さて、ドラマのなかでは、騙されたほうの男は、塩見一郎(矢部太郎)、騙したほうの女は藤原夏純(逢沢りな)。
個人間の問題かと思いきや、実は二人が出会った「ローズブライダル」という婚活サービスが、どうやら組織ぐるみでサクラを使って、真面目に婚活している男女を騙して金を巻き上げていた疑いが浮上する。
そのローズブライダルの悪徳社長、相田栞(東ちづる)は、婚活がうまく行かない男女に、月額30万円もする自己開発プランを提案し、そこでも金を巻き上げていた。いや、提案と言うより脅迫だった。
翔子(米倉涼子)は、このローズブラダルを相手どって裁判を起こすことを提案する。
いっぽうドラマは、翔子が弁護士資格を失った原因になった、過去の殺人事件にも目が向けられる。
翔子が最後に弁護をしていた守屋至(寛一郎)は、殺人事件で懲役9年の実刑判決が確定し、すでに服役している。
事務所の若手弁護士、青島圭(林遣都)は翔子に頼まれて受刑者の面会に訪れる。
どうやら、翔子が失脚したきっかけとなった、ヤクザとの関係を暴かれたスキャンダルは、もしかしたらこの事件の罪を守屋になすりつけるための工作だった予感が浮かび上がる。
と言うのは、翔子が以前勤めていて、今はライバル的存在の「Felix & Temma法律事務所」は、翔子の動きに常に探りを入れているようだ。今回のローズブライダルの弁護担当でもある同事務所の所長、天馬壮一郎(小日向文世)は、週刊誌を使って翔子が資格がないのに弁護活動をしているという記事を書かせたりしているのだ。
ただ、翔子はそのスキャンダルさえも味方につける奇襲作戦に出る。
傍聴席から裁判長に向かって叫び、押し寄せたマスコミのカメラの前で訴えかける翔子は、カッコいい。
そして、Felix & Temma法律事務所では以下のような会話が。
ーーあの女は本気で潰さなければいけませんよ…
事件があって最後に解決して終わり、というパターンだけに終わらない、厚みのある内容になってきて、次週への期待感が膨む第6話だった。
P.S.
途中、米倉涼子の衣裳が、まさかのKISS Tシャツ。
基本情報:テレ朝木曜ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」第6話 – 米倉涼子主演
- タイトル リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
- チャンネル テレビ朝日系列
- 番組公式サイト トップ あらすじ 人物相関図 スタッフ
- 放送日時(第6話) 2018年11月22日(木)21:00〜21:54
- 出演
- 小鳥遊翔子・たかなししょうこ(元弁護士):米倉涼子Wikipedia
- 京極雅彦・きょうごくまさひこ(代表弁護士):高橋英樹Wikipedia
- 大鷹高志・おおたかたかし(弁護士、元検事):勝村政信Wikipedia
- 青島圭太・あおしまけいた(弁護士):林遣都Wikipedia
- 馬場雄一・ばばゆういち(パラリーガル):荒川良々Wikipedia
- 伊藤理恵・いとうりえ(パラリーガル):安達祐実Wikipedia
- 茅野明・かやのあきら(パラリーガル):三浦翔平 Wikipedia
- 海崎勇人・かいざきはやと(ライバル事務所弁護士):向井理Wikipedia
- 白鳥美奈子・しらとりみなこ(ライバル事務所弁護士):菜々緒Wikipedia
- 中沢淳美・なかざわあつみ(ライバル事務所秘書):宮本茉由 Wikipedia
- 天馬壮一郎・てんまそういちろう(ライバル事務所代表):小日向文世Wikipedia
- 神保有希・じんぼゆき(鉄道バー店員):内藤理沙Wikipedia
- 第6話ゲスト