このレビューでダントツの“神回”と書かせていただいた第3話の金庫破りの話は、かなり秀逸だった。ただ、今回の第6話はさらに面白さの新記録を更新した感がある。

最後にグッとくる、愛に溢れた話だった。
そして、謎解きの仕掛けも絶妙で、観ていてコロっとダマされた。

このドラマは、窃盗犯の心理を読み取って、犯行の現場を押さえるパターンが多かったが、今回の犯罪は既に行われていた。
万引きで逮捕された主婦、鳥飼和子(余貴美子)は、“無錠の空き”と呼ばれる、鍵のかかっていない家に侵入する手口で、65件もの窃盗に入り、1500万の盗みを働いていた余罪を自供していた。
捜査三課13係では、和子を現場に連れて行き、具体的な手口を確認する「引き当たり捜査」を行うことになる。
元音楽隊にいて刑事経験のなかった小平美希(石橋杏奈)が主担当に任命された。
美希が免許を持っていないことから斑目(中島健人)は運転手兼カメラマンとして、監督役として皇子山(中村倫也)と宝塚(江口のりこ)が同行する。

斑目の影の師匠である伝説の大泥棒、煙鴉(けむりがらす、=遠藤憲一)は、行きつけのバーで、引き当たりの重要性を班目に説き、スキを見て逃亡するケースもあるから気をつけろ、とアドバイスする。

その和子は、実は思いもよらぬ曲者だった。

彼女は大学の心理学科を首席で卒業しており、会話で人を手なずけることに長けている。移動中のクルマの中や取り調べ室などで、美希と斑目にフレンドリーに話しかけて、親しくなろうとする。

ベテラン刑事である皇子山と宝塚は、犯罪者はあくまで犯罪者として扱うことに徹しているものの、美希と斑目は次第に和子のペースに乗せられてくる。とくに斑目は、和子は窃盗癖があるだけで根っからの悪人ではないと皇子山に主張したり、勝手に娘さんに電話をして和子に会わせようとしたり、完全に和子に心を奪われてしまっているようだ。

だが、この流れには思わぬトリックが仕込まれていた。
後半に差しかかったあたりから、畳み掛けるようにさまざまな「事件」が起こる。
そして、まさかの意外な真相が判明する。

そうだったのか!

頼りなかった斑目と美希のちょっとした成長も見られ、心を揺さぶられるヒューマンドラマ的な展開もあり、最高に楽しめた第6話だった。

P.S.
班目くんは飲み過ぎてバーカウンターでよく寝てしまいますが、一般的にはお店に迷惑なのでやめときましょう。
最終シーンで班目くんが目覚めると、バーのコースターの裏側に書かれていた煙鴉のメッセージが気になる。

今から観るには:「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」

基本情報:日テレ土曜ドラマ「ドロ刑 -警視庁捜査三課-」 第6話・中島健人・遠藤憲一主演

  • タイトル ドロ刑 -警視庁捜査三課-
  • チャンネル 日本テレビ系列
  • 番組公式サイト トップ あらすじ 人物相関図 スタッフ
  • 放送日時(第6話) 2018年11月17日(土)22:00〜22:54
  • 出演
    • 斑目勉・まだらめつとむ(新米刑事):中島健人 WikipediaWikipedia
    • 煙鴉・けむりがらす(伝説の大泥棒):遠藤憲一 WikipediaWikipedia
    • 小平美希・こだいらみき(捜査三課):石橋杏奈 WikipediaWikipedia
    • 皇子山隆俊・おうじやまたかとし(捜査三課):中村倫也 WikipediaWikipedia
    • 宝塚瑤子・たからづかようこ(捜査三課):江口のりこ WikipediaWikipedia
    • 細面隆一・ほそおもてりゅういち(捜査三課):野間口徹 WikipediaWikipedia
    • 霞沙織・かすみさおり(科捜研):田中道子 WikipediaWikipedia
    • 宵町時雄・よいまちときお(バーのマスター):生島翔 WikipediaWikipedia
    • 勝手田利治・かってだとしはる(捜査三課):丸山智己 WikipediaWikipedia
    • 左門陽作・さもんようさく(捜査三課):板尾創路 WikipediaWikipedia
    • 鯨岡千里・くじわおかちさと(捜査三課係長):稲森いずみ WikipediaWikipedia
  • 第6話ゲスト
    • 鳥飼和子・とりかいかずこ(窃盗犯):余貴美子 WikipediaWikipedia