ついに伝説の小説家「間宮真司」が長い長いブランクを経て、執筆を再開する。
ただ、あれほど固く誓ったはずの永遠の愛が、早くも危機?
激動の第4話だった。

前々回・第2話のラストで、若年性アルツハイマーの初期症状であることがわかってしまった北澤尚(戸田恵梨香)に向かって、自分は受け入れる覚悟があると元作家の間宮真司(ムロツヨシ)は誓った。それに続く第3話の結末で二人の絆はさらに深まった。
しかし、この第4話の最終シーンで、それが脆くも崩れ去ってしまいそうな展開となる。

そもそも、21歳の時に真司が新人賞を受賞したベストセラー小説「砂にまみれたアンジェリカ」が、尚が中身を暗礁するほどの愛読書だったことからこの劇的な恋が始まった。
そんな尚との出会い、そして尚が記憶を無くしていく病にかかっていることがきっかけになって、真司は長年休んでいた小説の執筆をすることを決意する。

…尚ちゃんのこと書いてもいいかな。
…書いて。書いてほしい。

記憶をなくして行く彼女との記録を小説にする、と言うのはちょっとせつないが、少なくともここまでは二人の仲は、なかなかいい感じで話は進む。

ところがある日、記憶障害があるのに尚が医師を続けていたというクレームから、これまで母親・北澤薫(草刈民代)と一緒に切り盛りしていたクリニックが窮地に立たされる。
すでに尚は現場を退いて母に病院を任せていたのに、過剰反応した患者がネットに書き込みをし、厚生労働省にまで通告をしてしまったのだ。

その厚生労働省に乗り込んで、ピンチを救ったのが、尚の元婚約者、井原侑市(松岡昌宏)だった。
侑市の母は、早く尚を忘れるように侑市に促していたが、アルツハイマーの権威である医師としての責務を全うしようとしていた。しかも、先週の第3話に比べると今回は格段にすばらしい女性を結婚相手として母から紹介されるが、どうしても本気になれない。

ある意味、侑市は捨てられた男であり、みじめな存在として描かれてもおかしくない。ただ、今回は主治医として尚の病気に向き合いながらも、かつて愛した女性でもある尚への気持ちがどこか捨てきれない実直な男性として、侑市が真司の対極にどっしりとその存在感を示した回でもあった。

そんな真司は、あろうことか尚が自分のことを「侑市さん」と呼んでしまったのに、尚の病気を気づかって知らないふりをしていた。
ところが、その侑市の「活躍」で尚の病院が救われたことを知ると、気持ちが変化してきて、尚を責めてしまう。
そして最終シーンで、あっけに取られるような一言。
今までのしあわせ気分をぶった切るような結末から、ドラマは次回予告へ。

記憶に障害がある彼女から名前を呼び間違えられ、その元婚約者が尚を助けてくれた、と言うだけでそこまで憤慨するだろうか、と感じる展開でもあり、真司の心理描写にちょっと不足があるようにも感じる。
もしかしたら、その種明かしが第5話にあるのかも知れない。

P.S.
本作品での、真っ直ぐな全力投球の演技はMVP級とも言える、松岡昌宏。
ちょっと前まで金曜日には「家政夫のミタゾノ」で異色の存在感を示していたが、きっとミタゾノさんの演技も真っ直ぐに取り組んでいたに違いない。

今から観るには:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」

基本情報:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第4話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演

  • タイトル 大恋愛〜僕を忘れる君と〜
  • チャンネル TBS系
  • 番組公式サイト トップ あらすじ 人物相関図 キャスト スタッフ
  • 放送日時(第4話) 2018年11月2日(金)22:00〜22:54
  • 出演
    • 北澤尚・きたざわなお (産婦人科医):戸田恵梨香 WikipediaWikipedia
    • 間宮真司・まみやしんじ (元作家):ムロツヨシ WikipediaWikipedia
    • 木村明男・きむらあきお (真司の職場の先輩):富澤たけし(サンドウィッチマン) WikipediaWikipedia
    • 小川翔太・おがわしょうた (真司の職場の同僚):杉野遥亮 WikipediaWikipedia
    • 沢田柚香・さわだゆずか (クリニックのスタッフ):黒川智花 WikipediaWikipedia
    • 石田ミル・いしだみる (クリニックのスタッフ):小篠恵奈 WikipediaWikipedia
    • 井原誠一郎・いはらせいいちろう (侑市の父):橋爪淳 WikipediaWikipedia
    • 井原千賀子・いはらちかこ (侑市の母):夏樹陽子 WikipediaWikipedia
    • 北澤薫・きたざわかおる (尚の母):草刈民代 WikipediaWikipedia
    • 井原侑市・いはらゆういち (精神科医):松岡昌宏 WikipediaWikipedia
  • 主題歌 back number「オールドファッション」