ムロツヨシ主演の恋愛ドラマなんて、ちょっとイメージ湧かないなぁ、と感じてまだ観ていなかったとしたら、もったいない。以下のインタビュー記事にあるような人生を送ってきたからこそできる、すばらしい演技を堪能できる作品だ。

ムロツヨシが語る、『大恋愛』で掴んだチャンスへの喜び「あがき続けてきました」

自分が売れない役者だったころの人生に今回の役柄は被るものがある。演技にかけてはプロ中のプロである彼が、自身の体験と重ね合わせて演技をしているから、本物のような迫力が違うのだ。

今回の第3話。
自分たちとは階級が何段階も違う男、間宮真司(ムロツヨシ)と娘・尚(戸田恵梨香)との恋愛を許さなかった尚の母・北澤薫(草刈民代)は、現実を受け入れていた。
いっぽう、尚がどんな病気であろうと、こんな恋を手に入れたんだから何でも我慢できると本気で決意したはずの真司だが、今度はその階級の違いに自分が苦しむことになる。

まず、尚の貯金の金額を聞いて驚く。視聴者も驚く。

もっとキレイなマンションに引っ越そうと尚からも母からも提案される。
お金は出すから、と。

そこで真司は思う。そんなヒモみたいな真似はできない。
そして、アート引っ越しセンターのバイトのシフトを3倍に増やしてしまう。

尚が悪いわけではないが、育ちの違いによる避けられない金銭感覚のギャップ。
真司は、その男気と意地で、それを全部背負ってしまう。
しかし、いくら仕事を増やしたところで、家賃20万のマンションに住むだけの稼ぎを得るのは無理だ。
しかも尚は最初「15万のとこに引っ越そう」と言ってたのに、内見した部屋は20万。
これ、金持ちが相手だとホントにありそうなことだ。

悩ましい問題である。

なおかつ、先週流れた予告編で印象に残った侑市(松岡昌宏)の「結婚されたらいかがですか?」というセリフ。
尚の元婚約者であり、アルツハイマー研究の第一人者でもある精神科医・侑市から、真司がそう言われるシーンだ。
なぜそんなことを侑市が言い放ったのか、真相がわかる。
正式な家族ではないので、医師の守秘義務で、尚の病気について説明することができないのだ。

さらに悲しい。

いっぽうの尚は、自分の記憶が消えていく恐怖に耐えきれない。
真司とのデートで、楽しい瞬間に、笑いながら泣き出してしまう。

これも悲しい。

そして真司の無理がたたってしまう。
先週に引き続き、このふたりが行き着く最終シーンにホロっとする。

P.S.
侑市を早く別の女性と結婚させようと、母親が見つけてきた三人のお見合い相手が、笑えるくらい酷かった。
それでも真面目に接する松岡昌宏は、別の意味で耐える男だ。

今から観るには:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」

基本情報:「大恋愛〜僕を忘れる君と〜」第3話 – 戸田恵梨香・ムロツヨシ主演

  • タイトル 大恋愛〜僕を忘れる君と〜
  • チャンネル TBS系
  • 番組公式サイト トップ あらすじ 人物相関図 キャスト スタッフ
  • 放送日時(第3話) 2018年10月26日(金)22:00〜22:54
  • 出演
    • 北澤尚・きたざわなお (産婦人科医):戸田恵梨香 WikipediaWikipedia
    • 間宮真司・まみやしんじ (元作家):ムロツヨシ WikipediaWikipedia
    • 木村明男・きむらあきお (真司の職場の先輩):富澤たけし(サンドウィッチマン) WikipediaWikipedia
    • 小川翔太・おがわしょうた (真司の職場の同僚):杉野遥亮 WikipediaWikipedia
    • 沢田柚香・さわだゆずか (クリニックのスタッフ):黒川智花 WikipediaWikipedia
    • 石田ミル・いしだみる (クリニックのスタッフ):小篠恵奈 WikipediaWikipedia
    • 井原誠一郎・いはらせいいちろう (侑市の父):橋爪淳 WikipediaWikipedia
    • 井原千賀子・いはらちかこ (侑市の母):夏樹陽子 WikipediaWikipedia
    • 北澤薫・きたざわかおる (尚の母):草刈民代 WikipediaWikipedia
    • 井原侑市・いはらゆういち (精神科医):松岡昌宏 WikipediaWikipedia
  • 主題歌 back number「オールドファッション」