来週の最終話を控えた、第9話。エキサイティングな回だった。
結末のまとめ方が強引で突っ込みどころ満載ではあるものの、これはドラマだ。ありそうもないことがあってもいい。

幼いころ父を殺されたことがきっかけで警察官になった、東堂定春(伊藤淳史)は、AIを駆使して凶悪犯罪を未然に防ぐための「ミハンシステム」の開発に情熱を燃やしてきた。井沢範人(沢村一樹)率いるチームの尽力もあって、実績が警視庁の上層部に認められ、これまでは個人のプライバシー無視の違法捜査を秘密裏に行ってきたものを、法制化しようという動きが始まる。警視庁のなかでも、そういう極秘の捜査が行われているらしいことが噂になり始めている。

そんななかで、ミハンがはじき出した今回の未然犯罪者は、政府高官などの要人を警護する責務を負う敏腕SP・石塚辰也(高橋努)だった。
いざと言うときは自分が盾になってでも暴漢やテロからVIPを守る役目のSPが、なぜVIPを殺そうとしているのか。
なんともショッキングな設定である。
そのSP役の高橋努は、眼光が鋭い強面で迫力満点、まさに今回のハマり役だ。
そんな正義感の強いはずの彼が、自分が犯罪者になってしまう殺人行為を犯すという選択肢に進まなくてはいけなくなった事情と、かつて妻子を殺され復讐心に燃えて犯人を追い詰めて仇を撃とうとしたことのある井沢(沢村一樹)のガチンコのぶつかり合いが見ものである。

警視庁構内の食堂でひとり飯を食っているSP・石塚に、斜め向かいの席から井沢が話しかける言葉がズシリと重い。

そして、このSPが巻き込まれた事件と、ベトナムで消えたはずの桜木泉(上戸彩)が動いていた本当の理由とが繋がってくる。
どうやら、背後に巨大な組織犯罪が潜んでいるようだ。
次の第10話で、もう最終話。

P.S.
ということで、先週訪ねてきた桜木泉の元上司、長嶋秀夫(北大路欣也)の存在も含め、あとたった1話で、張り巡らせた伏線を鮮やかに解決できるんだろうか、とも感じるが、楽しみである。

基本情報:フジテレビ月9「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」第9話 – 沢村一樹 主演

今から観るには:「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」