25年前に練馬台で起きた無差別殺傷事件で父を失ったことで、東堂定春(伊藤淳史)は刑事になり、警視庁で凶悪犯罪を未然に防ぐための「ミハンシステム」の立ち上げに従事してきた、という経緯が前回の第5話で明らかになった。

第1話から第5話までは、井沢範人(沢村一樹)率いるミハンチーム(表向きは「資料課」の所属)が、その東堂が開発したシステムによってはじき出された、これから起こる犯罪を寸前で食い止めるというものだった。ただ、第2話、第3話、第5話では、ミハンが予想した犯罪を防ぐことはできたものの、ドラマを観ている視聴者としては、実はもっと許せないヤツがいた。

その許せないヤツが、懲らしめられる。

誰が懲らしめているんだ?

第2話では、誰だか全くわからない。
第3話では、え、まさか、この人が、という予感が。
そして、ここが秀逸なのだが、第4話では、敢えてその懲らしめるシーンは無し。
と思わせておいて、第5話で、誰が懲らしめているのかはっきりする。

そんな視聴者を驚愕させる、意外な展開を見せる第6話。
1話ごとに犯罪が起きて解決する、を繰り返す犯罪ドラマとは違い、1話から6話までを通して観て、初めて体験できる大掛かりな騙し討ち。
なるほど、そうだったのか、と膝を打つ。
連続ドラマだからこそできる、巧みな構成に脱帽である。
けして、第6話から観ないように。ご面倒でも第1話からどうぞ。

今回はとくに後半から、これまでミハンチームでは頼りないながらも意外なところで頼りになってきた田村薫(平田満)と、ボヤきながらも大事なところで何かをしてくれてきた南彦太郎(柄本時生)の迫真の演技が光る回でもあった。

P.S.
なぜこのドラマが「絶対零度」なのか、わからないですよね?
上戸彩が主演だったシーズン1が「コールド・ケース」と呼ばれる、未解決事件を扱ったものだったからです。

基本情報:フジテレビ月9「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」第6話 – 沢村一樹 主演

今から観るには:「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」