大方の予想を裏切って、サッカー日本代表がFIFAワールドカップでコロンビアを破ったあとの第2戦、セネガル戦を控えた6月24日、日曜日の夜9時に迎える、ブタックペアン最終話。
このドラマの最初から繰り返し映される「ペアン」というハサミ状の医療器具が体内に残ったままのレントゲン写真。
この医療過誤(医療ミス)かというと、原作の小説にもあるが、そのときは、そうせざるをえなかったのだ。
それに関わった医師は、佐伯清剛(内野聖陽)と、主人公の渡海征司郎(二宮和也)の父、渡海一郎。
渡海征司郎は、佐伯の医療ミスの罪を自分の父が被り、医大(東城大)を追い出されたらしいことを知り、真相究明や、恨みを晴らすために医者になった。
そして、そのペアンが身体に残ったままの患者・飯沼達次は、まだ存命である。
つまり、身体の中にハサミが残ったまま、何年も生きながらえているのである。

渡海征司郎(二宮和也)は、ついにその患者の居場所をつきとめ、無断でオペを強行し、体内に残っていたペアンを外そうとする。
でも、それは外してはならないものだった。
これまで鮮やかに、どんな困難な手術でも成功させた渡海でも、なすすべもない状況に追い込まれる。
そこに佐伯が登場することで、事態は大きく動く。

ここで、佐伯が持っていたブラックペアンが何であるのか、初めて明かされる。
なるほど。
ここまで引っ張るとは、粋である。

しかしながら、佐伯教授も心臓に致命的な問題を抱えていて、倒れてしまう。
父の仇でもある佐伯を、渡海は救う筋合いはない。

ただ、父から教えられた医師の基本的な心構えが脳裏をよぎる。

医者は患者のことだけ考えろ。
ただ、人を救え。

ドラマ全体を通じて、医学界の邪悪な側面をクローズアップしつつも、最後には医師が本来目指すべき姿勢を指し示した、正義に満ちた作品だった。

P.S.
最終話のレストランのシーンは、ミシュラン三つ星フレンチ、カンテサンス。
日本が世界に誇る企業、ソニーの本社がかつてあった「御殿山」という場所にあります。

今から観るには:TBS日曜劇場「ブラックペアン」 – 二宮和也 主演

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基本情報:TBS日曜劇場「ブラックペアン」最終話(第10話) – 二宮和也 主演