最終話10話に繋がる、20分拡大スペシャル・第9話。
今回は、研修医・世良雅心(竹内涼真)と、日本外科ジャーナルの池永編集長(加藤浩次)の存在が大ブレイクした。
ドラマ中盤の9時40分くらいに、木下香織(加藤綾子)がアレンジした懐石料理の席で繰り広げられる、この二人のガチンコバトルは、心を動かされる。そしてドラマのストーリーをも動かす。

渡海征司郎(二宮和也)の後ろ盾であり、その反面、敵対もしている東城大医学部の心臓外科の権威、佐伯教授(内野聖陽)が倒れてしまうというのが前回の結末。
それも渡海医師がメスを握らないと助からないような困難な症状であることがわかる。
ただ、佐伯教授は渡海に執刀を頼まず、これまで自分があまり認めてこなかった最新の医療機械「カエサル」で自分の手術を行うよう指示する。

命が危ないかも知れないのに、こんなことで意地を張っていていいのか、と思ってしまう。
これまでのドラマの話の運びから推察するに、佐伯教授の計算の上での判断であるようにも見える。

ただ、東城大の全員が結集してチームを結成するも、なかなか佐伯教授を助ける道が見つからない。

そこで、研修医・世良雅心(竹内涼真)が動く。
日本外科ジャーナルの池永編集長(加藤浩次)から、何か役に立つ症例がないか、聞き出そうとするのだ。
池永編集長は、次の日本外科学会理事長の座を決める医療論文の評価点「インパクトファクター」を左右する存在として描かれてきた。

ただ、論文は誰かの出世のためでなく、誰かの命を救うためのもの。
つまり、世界のどこかに論文と同じような症状を抱えた患者がいたら、その論文によって救われるのだ。

研修医・世良は、そのような最も大切な医療論文の意義を、池永編集長に気づかせ、眠っていた良心を呼び起こさせる。
涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら編集長に訴える竹内涼真の体当たり演技は見ものだ。

実は、世良ひとりで動いたものではなく、渡海医師が導いた部分が大きかったのだが、これをきっかけに佐伯教授の命を救う道筋が開かれる。とは言っても、これまでのドラマの流れと同じく、手術の現場では思い通りに進まず、チームは天を仰ぐ。そこで、オペ室に入ってはいけないと言われている渡海医師が意外な形で「参加」する。

そして物語は、渡海医師の音声をオフにした不気味な結末を経て、来週の最終話へと突き進む。

P.S.
西崎教授(市川猿之助)の悪党ぶりが、だんだん「半沢直樹」の大和田常務(香川照之)に見えてきた。やはり、どちらも歌舞伎の血が流れているからだろうか。

今から観るには:TBS日曜劇場「ブラックペアン」 – 二宮和也 主演

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基本情報:TBS日曜劇場「ブラックペアン」第9話 – 二宮和也 主演