レビュー:「警視庁・捜査一課長season3」第7話 – 内藤剛志 安達祐実 出演

前回・第6話の「ピンク色の人影」に続き、今回も寡黙な捜査一課長・大岩純一(内藤剛志)の「恵比寿のアメリカ橋に、いい香りのご遺体が?」と言う、何とも滑稽な一言から始まった。

恵比寿の名所、恵比寿ガーデンプレイスは、恵比寿の駅から結構遠い。
恵比寿駅の東口を出て右に進み、スカイウォークという動く歩道を使ってかなりの距離を移動したあと、正面にやっとガーデンプレイスが出現する。
そのガーデンプレイスの手前右手にある、山手線の線路の上にかかっている小さな橋が「アメリカ橋」だ。
日本が近代化していた明治時代、日本にはまだ無かった鉄の橋を、アメリカから買い取って設置したものである。

殺人事件は、その橋の下で起こった。

今回の中心人物は、過剰なまでにおせっかいなお母さん、中井律子(室井滋)。
マンションの管理人ながら、住人のひとりひとりの面倒をみたいがあまり、ゴミ袋を開けて詮索までしてしまうような、エキセントリックな女性だ。
室井滋が、まさにそのとおりの人格を演じ切っている。その迫力や表情の細かい変化は、さすがと言うほかない。

平成も終わろうとしている現在の価値観では「迷惑」かも知れないが、昭和のどこかに忘れてきた「善意のあるおせっかい」を思い出させた回だった。
そんな今の時代だからこそ、自分を気にかけてくれる赤の他人は、もしかしたら貴重かも知れない。
ゴミ袋を開けられるのはイヤだけれど。

そして、事件の真相の種明かしも絶妙な仕込みで、ミステリーとしても秀逸な回であった。

P.S.
後番組「未解決の女 警視庁文書捜査官」の沢村一樹がちょっとだけ出演。
「またあとでね」で、その場は終わり。次も続けて観てね、と言うことか。
ただ、2時間連続で殺人事件を見るのもなぁ、とも少し感じる…あ、見てしまった。
アイリッシュパブでかかるような、いつもの音楽を聴きながら、これを書いてます。

基本情報:「警視庁・捜査一課長season3」第7話 – 内藤剛志 安達祐実 出演

  • タイトル 警視庁・捜査一課長season3
  • チャンネル テレビ朝日系
  • 放送日時(第7話) 2018年5月24日(木)20:00〜20:54
  • 出演 内藤剛志 安達祐実 本田博太郎 矢野浩二 鈴木裕樹 塙宣之(ナイツ) 床嶋佳子 金田明夫
  • ゲスト 室井 滋 田中律子 猪野 学 和田聰宏